アルマジロ(armadillo)
あらすじ
2009年、デンマーク兵士メスやダニエルらは10日間の訓練の後、アフガニスタン南部の前線作戦基地アルマジロへと向かう。イギリス同様国際治安支援部隊(ISAF)支援国であるデンマークは警戒エリアでパトロールを担当。彼らはタリバンの拠点まで約1キロの場所で穏やかな日々を送っていたが、ある日、タリバンと交戦することになり……。
この映画はフィクションではなく、7ヶ月密着して製作したドキュメンタリーで、
最後に大どんでん返し、なんて台本的事は事なく、ありのままの戦場を写している。
戦場では人を殺す事は、通常は大罪だけれども、
戦場では敵を撃てばむしろ賞賛される。
むしろ、戦場にきて武勇伝がなければ恥ずかしいといった感じ。
どれだけの人数を殺ったか、どんな殺し方だったか、
楽しそうに話す彼らをみると違和感を感じた。
敵を殺す為に戦地にいる彼らにとって、
そんな違和感を感じる空間はないのだと思った。
軍がタリバンを殺害したとことをメディアが報道し、
バッシングを受けたことに対してダニエルが言った印象的な言葉がある。
「部外者は鼻で笑って、俺たちのことを病んでるだの、
人殺しだの言うだろうけど、俺は正しいことをやった。俺たちみんなそうだ」
彼がそう言うことに、いや違うだろ、と思わざるを得ないし、
この映画がそう観せているのだが、彼の言うことは決して間違っていない。
国際平和活動の名の下でタリバンを撃つ為に彼らは派兵されていて、
彼らはそれを忠実に遂行しているだけだ。
だからこそ、怖いと思った。