女子の恋後ゴコロを鷲掴み「あと1cmの恋」※ネタバレ

映画『あと1センチの恋』公式サイト

あらすじ

ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳のころからの友達同士。自分たちの住むイギリスの田舎町を出て、アメリカのボストンの大学へ進学しようと約束し、二人とも合格。ところがロージーは、クラスの人気者クレッグと軽い気持ちで関係を持ち、身ごもってしまう。アレックスはボストンへ移り、ロージーは一人で子育てに奮闘するが……。

シネマトゥデイ 

 

アン・ハンサウェイ主演のワン・ディと少し似ているような。

ストーリーは王道のラブストーリーではないでしょうか?

主に女性向きな映画だと思います。

 

この映画の胸キュンポイント

・幼馴染との恋。

・好きって言いたいけど言えないもどかしさに共感出来る。

・ありのままの自分を受け入れてくれる関係。

・お互いの付き合う相手がダメ男・ダメ女すぎる。

 

ダラダラと感想

・ 幼馴染との恋

幼馴染との恋はどの国でも王道みたいですね。

この映画の主人公ロージーとアレックスも向かいの家に住む幼じみ 。

しかも美男美女!!お互いそれを飾らないのがいいですよね。こんなお似合いな2人が付き合わないのが不思議なくらい。

レックスが「医者」というお堅お仕事を目指しているのに、気取ってないのも良いです。

ロージーが可愛いしチャーミングですが、さばさばしていて逞しい、女子から好かれるタイプですね。

 

・好きって言いたいけど言えないもどかしさに共感出来る。

まずタイミングを逃したのは、ロージー18歳の誕生日祝いにアレックスと2人でクラブに飲みに行った時のこと。2人はこの時、キスをします。お互いが意識し合っていて「好き」なんて言えないから、この出来事は恋愛に発展するかもと期待したアレックスですが、ロージーはウォッカをを飲みすぎてこのことを覚えていません。一方アレックスは覚えてる。

ここから歯車が狂ってしまう訳ですが、うまい具合にタイミングが合わない12年がすぎてしまいます。

ロージーから「好き」と言わないのは、言われるのを待っているように思いました。

ダンスに誘われていた時も、アレックスが別の女の子を誘いたいと言ったので、それを受け入れたし、

彼女が出産後にアレックスに会いに行った時も、何か特別な事があると期待してアメリカへ渡ります。が結局、残念な結果だった。彼女はいつも全力で彼を愛していたし、その姿が素直で可愛い。 

やっぱり女性は男性から誘われたいし、求められたいですよね?

 その気持ちに共感できる女子の気持ちをがっちりキャッチ。

 

だけど、男性は目の前の美人さんに迫られたら、折れるんでしょうかね。ボソッ

 

・ありのままの自分を受け入れてくれる。

若気の至りで、若くしてシングルマザーになったロージー。

男性は逃げれば関係ない話ですが(モラルを疑いますが)、女性には逃げきれない問題です。

望んでいない妊娠ならなおさら。

彼女は大学への進学も決まっている状態で、将来の夢もあったはずなのに...とまさに絶望します。

結果的に彼女は子を育てることになり、母親として喜びを感じ始めます。

でも、他人、特に学校の人たちにシングルマザーである自分を知られたくないし、どう思われるか不安になるのは当たり前。

ましてや、アレックスは特別な存在ですから絶対に知られたくない。

のに、べサニー!なんて口が軽いんだ。べサニーのお喋りでアレックスはその事実をしってしまいます。

 

でも、彼は優しい!

大学在学中にアメリカから一旦地元に戻ってきて、ロージーの事実を理解してくれる!

ベッドでロージーと娘とアレックスの3人で話していた時、アレックスが父親代わりになるよ」といった時、私は胸キュンしました!

ロージーは育児が大変な時だから、そんなこと言われたらめっちゃ嬉しいはず。私もこんなパパだったらいいなって妄想させられちゃいましたね。

 

ただ、後に大学で出会った美人(名前忘れましたが)に子供ができたことをロージーに告げた後の2人は喧嘩をします。字幕では言っていませんでしたが、英語では「生まれてくる子に寂しい思いはさせない。父親も母親もいるし。」とシングルマザーのロージーにグサリと刺さる言葉を言い放ちました。このときはだいぶがっかりでしたね。ボソッボソッ

 

・お互いの付き合う相手がダメ男・ダメ女すぎる。

お互いくっつけない寂しさからか、恋をします。

が、相手がダメ男・ダメ女なんですよね。

 

ロージーの娘の父親であるグレッグは、ロージーの妊娠を知ってから逃げました。後に、関係が戻り2人は結婚します。

最初は順調だったものの、ロージーの父親の葬儀で酔っ払い、親戚の悪口。ないですね。

さらに、グレッグの不倫が発覚して、結局離婚します。ありえません。

 

レックスの大学時代に出会った美人は、結局違う人の子供を身ごもっていたのに、アレックスに嘘をついてましたし。

べサニーに関しては、結婚したてなのにって同情すべきですが、わがままな言動が多いのでいいでしょう。

 

だめ彼氏、彼女を見ていると、やっぱり誰と結ばれるべきかが明確で、主役を引き立ててくれますよね笑

 

 

ただ、感想を書いてるうちに一番のダメ男はアレックスだと思えてきました。

ヴァージン卒業してから大学進学前は性のことしか頭にない。

ロージーが泣き顔でレストランに来ていても全然気付かない。無神経では?

ロージーの気持ちは知っているはずなのに。思わせぶりな態度ばかり。

可愛い女の子に迫られると断れなくて、都合のいい時にロージーに連絡するアレックス。

大事な時は何故か手紙。もし手紙でなかったら、無駄な結婚式なんてなかったのに。 と。

この想いは心の隅に置いておこう。

 

ティーン映画と言われていますが、幅広い女性に女性に受け入れられる王道ラブストーリーでした。

 目の前にある恋は相手に伝えて逃してはだめですね。

 

 

 

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持っている自尊心を曝け出したら、実はこんなにも痛い奴だったと気づくかもしれない。『キング・オブ・コメディ』

  カテゴリーはコメディ?それとも、ホラー?

 

あらすじ

コメディアンを目指すルパート・パプキンは、有名コメディアン、ジェリー・ラングフォードを熱狂的ファンの群れから救い出し、強引にコネをつける。「今度事務所に自演テープを持って来い」と言われて、有頂天。もうスターになった気になり、昔から好きだった黒人女性リタにも接近するが……。

キング・オブ・コメディ - Wikipedia

 

タクシードライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」などなどで有名なマーティン・スコセッシ監督 × ロバート・デ・ニーロ

 

「キング・オブ・コメディ」も「タクシードライバー」同様、見た後に後味の悪~い感じが口いっぱいに広がる、クセのある内容になっておりました。 

 

 映画を見始めた当初は、売れないコメディアンを演じるデ・ニーロが、どんどん有名になっていくような、ありがちなサクセスストーリーだと思っていたんです。(まあ、ある意味サクセスストーリーでしたが。)

 

が、全く違いました。

 

この映画が教えてくれたこと

・自分自身を客観的に見えない恐ろしさ。本当は痛い奴だと気付かない。

・妄想と現実の違いが分からなくなっている恐ろしさ。

・罪を犯したのにも関わらず、一夜のヒーローとなって賞賛され、アメリカンドリームを成し遂げるエンディングに、アメリカ社会の皮肉。

ロバート・デ・ニーロの演技は凄い。

 

強烈に印象に残る映画です。

 

 

ダラダラと感想(ネタバレあり)

ルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)は、30代でコメディアンを目指ものの、実際は無職・実家暮らしのニート

彼自身はコメディアンで成功することを確信していますが、世間からは見向きもされていない現状を認めようとはしません。

そのくせ自尊心が強く、自分を否定されると、怒りを剥き出しにして相手を罵倒します。

 

自分は面白く人気のあるコメディアンなんだ。と、彼の妄想は次第にエスカレートしていき、遂には誘拐事件を起こしてしまうほど狂気的になっていきます。

 

 

・自分自身を客観的に見えない恐ろしさについて。

 

パプキンは妄想癖があります。私もしょっちゅう妄想します。ええ、そらもう。

パプキンのコメディアンへの憧れや、妄想も変なことではありません。

 

パプキンが陶酔するコメディアン、ジェリー・ラングフォード。ラングフォードのトーク番組セットを自宅に再現してしまうほど彼熱狂的なファンです。それくらいなら、ファンだから、許容範囲ではないでしょうか。

 

ラングフォードの秘書からもっと下積みが必要だと言われても、パプキンは自分はラングフォードと肩を並べてトークショーに出れるくらいの人物だと思いこんでいるので、聞く耳を持たず逆に炎上してしてしまう。

彼は、自分が間違っているなんて、一ミリも思っていないのです。

 

いやーでもこれ、正直、新卒の時の自分を思い出しました。できない事が分からないから、自信満々だったんですよ。華々しく散りましたけど、そんな自信なんて。

逆に先輩になって新卒くんの自信満々な態度を見てると、あーこんなんだったんやな自分もと思いますが。

 

 

・妄想と現実の違いが分からなくなっている恐ろしさ。

 

現実を受け入れられないパプキン。

自分が有名じゃないのは、有名になる機会がないからだと、勝手に思い込む。

何もかも自分の思い通りに事が運ぶ妄想の世界に逃げ込んでしまうパプキン。そしてそれを現実化させるために動き始めます。

結果的にテレビ局のラングフォードを誘拐し自分を彼の番組に出すように脅しますが、場合によっては殺人まで引き起こしそうなほど。

 

妄想がここまでくると事件です。

 

 

 

・罪を犯したにも関わらず、一夜のヒーローとなって賞賛され、アメリカンドリームを成し遂げるエンディングに、アメリカ社会の皮肉。

 

誘拐事件を起こし、一夜限りで番組に出演するパプキンですが、それから状況は一変し、一躍彼は人気者になります。

がこれをサクセスストーリーだ!と思う人はほとんどいないのではないでしょうか。

 

むしろ、罪を犯してしまったのにも関わらず、それを受け入れてしまうアメリカのショウビジネスを皮肉っているように、私には見えました。

 

実際にアメリカのアクターや歌手、アーティストはドラッグや、セクシュアルな画像、ゴシップが毎日のように溢れる世界です。私はそんなゴシップが好きですが。

 

才能があるから活躍できる、のは納得だけど、犯罪や中傷行為ってそんな簡単に許されて良いのか?と思うようなことも。

 

 

ロバート・デ・ニーロの演技は凄い。

 

演技を演技と思わせない。

パプキンは本当はとても優しく、少年のような純粋な心の持ち主です。

事件を起こしてもなお、何の悪気もなさそう終始笑顔を絶やしません。

やっと自分の夢が叶った!と言わんばかりです。

彼にとっては夢(妄想)がやっと現実になった。

そんな猛進する彼を自然に演じた ロバート・デ・ニーロはやはり凄いです。

コメディ・アクション・ヒューマン・ラブストーリー・ヒストリーなどなど、出演映画が多方面な彼は本当にカメレオンですね!

 

 

気になったフレーズ 

 

Better to be king for a night than schmuck for a lifetime.

 ドン底で終わるより、一夜でも喜劇王になりたかった。

 

※単語

〇schmuck (シュマック)

1 *1 (不愉快な)ばか,まぬけ,低能,うすのろ,変人

2*2 陰茎,ちんぽ.

by schmuckの意味 - goo辞書 英和和英

 

例:I feel like a schmuck. (自分が)馬鹿みたい

by schmuck: 女性と食事をした直後に女性が帰ってしまったときに感情 - 植山周志のぶっ飛ぶブログ

 

〇lifetime

1 (n) 生涯.

2 (adj) 生涯の,終生の.

by lifetimeの意味 - 英和辞典 Weblio辞書

例:He made a great fortune in his lifetime 彼は一代で巨万の富を得た。

 

※文法

better A than B (BよりAのほうがましだ。)

 

直訳:一夜の王になることは、一生まぬけでいるよりましだ。

 

 

 

 

 

 

 

*1:

*2:

アニー2

 

 

 アニー1を見ずに手をとったのがアニー2でした。

 

あらすじ

名作ミュージカル「アニー」の続編。心優しい元気少女アニーの活躍を描くハートウオーミング・ドラマ。イギリスで“ナイト”の称号を受けることになったアニーの養父、ウォーバックス。アニーも彼に同行するが、ホグボトムという夫人が養父に接近してくる。彼女の目的は、ウォーバックスの友人の天才科学者であるイライ教授の発明だった。彼女はそれを悪用して、英国女王の座を奪おうともくろむ。 

allcinema ONLINE

 

展開は分かりやすく、先が見えてしまう。

ホームアローンのような感じでした。

 

アニーが裕福な父親の存在をやたらと主張するので、

裕福な家にもらわれた、貧しい家の子とゆう設定がぼやけていて、

(去年公開されたアニーしか見ていないんですが)

ただただ、世界で一番の富豪の"ダディ"に

世界でただ一人わがままを言える赤毛の娘とゆう感じでした。

 

1が人気だったから2を作ったのでしょうか。

 

アニーの有名な歌"Tomorrow"も、なんだかとってつけたような印象でした。

 

 

1982年版 Tomorrow

 

 

 

アルマジロ(armadillo)

 

 

あらすじ

2009年、デンマーク兵士メスやダニエルらは10日間の訓練の後、アフガニスタン南部の前線作戦基地アルマジロへと向かう。イギリス同様国際治安支援部隊ISAF)支援国であるデンマークは警戒エリアでパトロールを担当。彼らはタリバンの拠点まで約1キロの場所で穏やかな日々を送っていたが、ある日、タリバンと交戦することになり……。 

シネマトゥデイ 

 

映画『アルマジロ』公式サイト

  

 

この映画はフィクションではなく、7ヶ月密着して製作したドキュメンタリーで、

最後に大どんでん返し、なんて台本的事は事なく、ありのままの戦場を写している。

 

戦場では人を殺す事は、通常は大罪だけれども、

戦場では敵を撃てばむしろ賞賛される。

むしろ、戦場にきて武勇伝がなければ恥ずかしいといった感じ。

 

どれだけの人数を殺ったか、どんな殺し方だったか、

楽しそうに話す彼らをみると違和感を感じた。

 

敵を殺す為に戦地にいる彼らにとって、

そんな違和感を感じる空間はないのだと思った。

 

軍がタリバンを殺害したとことをメディアが報道し、

バッシングを受けたことに対してダニエルが言った印象的な言葉がある。

 

「部外者は鼻で笑って、俺たちのことを病んでるだの、

人殺しだの言うだろうけど、俺は正しいことをやった。俺たちみんなそうだ」

 

彼がそう言うことに、いや違うだろ、と思わざるを得ないし、

この映画がそう観せているのだが、彼の言うことは決して間違っていない。

 

国際平和活動の名の下でタリバンを撃つ為に彼らは派兵されていて、

彼らはそれを忠実に遂行しているだけだ。

だからこそ、怖いと思った。